手紙。

 最近、メールが主流で手紙を書くって事が少なくなってきてるよな。でも手紙って貰うと嬉しいし書いてる時も楽しい。ただ・・・・・・貰っても嬉しいだけじゃないのが悲しいところというか。
 21日、以前付き合ってたRのお母さんから電話があってん。Rの荷物を整理してたらうち宛の手紙が出てきたから送るねって。それを聞いてうちはもうなんも手につかんなってしもうた。Rから手紙・・・・・・なんで今頃ってな。
 で、22日の昼過ぎに速達でその手紙はやって来たん。心の準備がまだ出来てないうちにとってそれを開封するんはすごく勇気のいる事やった。封筒の中にはお母さんからの手紙も入ってて
「やっとRがいないことを受け容れられました。Rの部屋を整理していた時にこの手紙が見つかりましたのでお送りします。読んであげてください」
と書かれてた。そして封筒の中にもう1通封筒が。ちょっと古くなって封筒の端とかがクシャクシャになってるそれを見て、もう一気に目から水が・・・・・・。

 ちょっと長くなるんでここから先は隠します。自分の気持ちを整理するためだけのエントリーなんでスルーしていただいていいっす。すんません、こんなエントリーで。





 うちの住所と名前が書かれたその封筒には切手が貼られてへんかった。それを見てきっとRはこれを出すつもりはなかったんじゃないかと思ったわ。出すつもりはないけど何かを伝えたくて書いた手紙。一体どんな事が書いてあるんだろうとゆっくりと開封して手紙を出してみた。
 手紙は5枚に渡って書かれてた。汚い字で、改行もほとんど無いすごく読みにくい手紙。でもすごく懐かしくて読みながら彼の声が蘇って来るようやった。手紙には、自分の病気を知ってどれだけショックだったか、どうして自分なのかってことが書かれてた。

 いま思えばRはそういった自分をとことん隠してたように思う。病室にお見舞いに行っても常に笑ってて、反対に泣きそうになるうちを慰めてくれてたりしてた。うちはなんて強い人なんやって思ってたけど、ほんまはそうじゃなかったんやね。なんでうちはそれを感じ取る事が出来んかったんやろ。あんなに好きで好きでどうしようもない人やったんに、なんでわかってあげることが出来んかったんやろ。手紙を読みながらうちは後悔ばっかりしてた。あの時、もっとうちがRの事をわかってあげられてたら良かったって。
 手紙の最初の2枚は病気になった自分を嘆くようなことばかり書いてた。でも、途中から段々とそれは変わってきてうちやお母さん、お父さん、妹の事を気遣う言葉が多くなってた。それを目にしてうちは涙が止まらんなってしもうた。

「ごめんな、海月」

 そう謝る文字がすごく痛くて悲しくて涙が止まらんかった。徐々に衰弱して行く姿でいつも言ってたその言葉が文字としてそこにある事が堪らんかった。そして手紙の最後の方にきっとこの手紙がうちの手に渡る頃には自分はおらんやろうって書いてあった。ドラマみたいやなって書いてあった。ほんまそうやね、R。

 でもな、R。
 うちはやっぱり未だにあんたのことが忘れられんみたいです。Rがおらんなって3年が過ぎたけどR以上に好きになれる人はおらんようです。手紙に自分がおらんなったら早く自分を忘れてきちんと好きな人を見つけろってあったけど、まだまだ無理みたいですわ。やからなんかな、現実の男やなくて手の届かない芸能人にばっかり目が行くのは。きっとこれからもこのまんまのような気がするよ、R(笑)。

 いつかきっと、Rの事を自分なりに折り合いつけられる日が来るとは思う。やってRはもうここにはおらんのやし、いつまでもRを引き摺っている事自体Rは嫌がるやろうしね。でもそれはきっととても難しいことなんだともわかってる。
 うちにとってRは33年間生きてきた中で一番自分を曝け出せた人やし、自分の気持ちを正直にぶつけられた人やった。お互いに信頼しあってどんなに小さなことでもそのままにせず話し合って、それでケンカしたり仲直りしたり笑ったり、いろんなことを2人で乗り越えてきたよな。これからまたそういう人を探すのはとても大変で、果たしてうちがRみたく自分を曝け出す事が出来る人が今この世界にいるのか、まるっきりわからへん。
 だからR、うちはまだあなたを忘れることは出来そうに無いです。約束、出来なくてごめんな。でもきっと「それがお前だもんな」って笑ってくれるよな(笑)。

 Rがこの世界からおらんなって3年、その間誰にも読まれずに引き出しの奥にひっそりとあったこの手紙。Rの気持ちが詰まったこの手紙はうちの大事な宝物になりました。お母さん、見つけてくれてありがとう。R、手紙というあなたの気持ちを残してくれてありがとう。Rの言うとおり、うちは「生きて」く。「おまえは生きろよ」と残してくれた言葉通り、苦しくてももがいて足掻いて生きてくよ。だから待っててよ、あんたに胸張って自慢せなあかんからね。「どうよ、りっぱに生き抜いて来たで!」ってな。
 ほんまに手紙を残してくれてありがとう。