去る者と来る者

 友人を送るセレモニーへ行って来ました。ありえないくらい暑くて、なんて季節に逝きやがったんだと友人の家族とともに愚痴ったり久し振りに会う友人たちとお互いの生存を確認したり充実したセレモニーでした。セレモニー中は友人が逝く1ヶ月前くらいからよく聞いてたと言うフォーレのレクイエムが流れててなんだか荘厳な雰囲気が漂ってましたわ。生前の友人を思い出すとまったく似合ってなくてビックリしたけど(笑)。

 ちなみに フォーレの曲はこんな感じ。

free music

 死の瞬間、家族さえも間に合わなくてそれが唯一の悔いだと喪主のお父さんが泣いてた。でもいろんな友人が毎日とっかえひっかえとにかく誰かが病室に来て息子を笑わせてくれたことに感謝していますって言ってくれた。友達でいてくれてありがとうって。

 友人は31歳という若さでこの世界から一足先に旅立って行ってしまったけどその最期はほんまに眠るように苦しみもなく静かなものだったそうでご家族もそれが救いだったと。確かに痛みに苦しみながら旅立ったのでなくてよかったと思う。痛くて苦しんでる友人をこの目にしたことがあるからほんまによかったと思う。

 うちと友人が知り合ったのは今から20年前。違う中学やったけど共通の友人を通して仲良くなって。頻繁に会うといった仲ではなかったけどお互い何かの分岐点に立った時はどちらからともなく連絡取り合って、酒が飲める年齢になった年には朝まで酒飲んだり。一時期付き合っちゃうか?なんて話も出たことあったけど結局なにもなく(笑)。今でもいろんな友人との思い出が大切にうちの中に生きてる事に感謝したい。

 セレモニー終了後、本当なら来るはずだった別の友人の元へ時間のある友人一同で押しかけちゃいました。昨日の通夜には来てたんやけど陣痛始まってセレモニーに来れなくなったそうで。確かに今にもはち切れんばかりの腹してたもんなー。旦那に連絡取ったらスムーズに生まれたって事なんでこれは見に行かねばと(笑)。いやー、子ザルがいたよ(笑)。3215グラムの結構美男子な子ザルが。友人たちと 「どっちにも似てねーな」 とひどい事言いながらおめでとうを言ってると、新米ママが 「○○が来たよ」 とニコニコしながら報告してくれましてん。

 どうやら出産中にこんなでかいの出ない!と一瞬諦めそうになったらしい。頭が見えかけてた時らしいんだけど。したらふっと脳裏に旅立った友人の姿が浮かんでニコニコ笑いながら拳突き上げて応援してくれたそうな。声は一切なかったんやけどそれはもう激しく応援してくれたらしい(笑)。新米ママは 「あんたここでなにしてんのよ!自分の葬式にちゃんといなさいよ!」 と怒ったんだと。でも応援は止まなくて。 「わかった、頑張るってば。生んでみせるわよ!」 と啖呵を切ったら親指グッとつき立てて消えて、それと同時に新米ママ曰くスルッと生まれたとか。

 それ聞いてうちたちはなんだか納得してしまいまして(笑)。旅立つ前から新米ママの腹を何度も撫でて感動してたしな、あいつ。子ザルが腹の中で動いた時なんてもう目をキッラキラさせて大興奮してたし(笑)。そう言えば名前も勝手に決めてみんなから大ヒンシュク買ってたな。やって「ヤン」とか「ワルター」とか「ヒルダ」とか「キルヒアイス」とか日本人ちゃうやんけ!な名前ばっかやってんもん(笑)。あ、奴は銀英伝のファンでございました。

 しかしここでうちたちの中でひとつの疑惑が持ち上がってん。もしかしてこの子ザルは奴ではないのかと言う・・・・・・。みんなして慌てて打ち消しましたが(笑)。新米ママと旦那には 「海月ちゃん、まさかそんなんないよね!?」 ととーっても心配そうに訊ねられちまいましたが・・・・・・わかりませーん。確かに子ザルの傍にはいるけど奴が子ザルになるのかなんてわからないもーん。でも一応新米ママと旦那には大丈夫と言っておいた(笑)。

 短い時間の中で旅立つ命と新たにやってきた命の両方の命に触れた今回。いつもは旅立つ命ばかりで見送る事しか出来んかったけど今回はこちらにやってきた命を迎える事が出来て嬉しかったっす。生があり死がある、死があるから生がある。命の輝きはキレイで素晴らしいもの。例えこの世界から消え去ろうとする命でもその最期の一瞬まで輝いてる。いろんな命に出会える今に感謝しながら自分もまた自分の命を輝かせたいと思ったのでした。

 さてこれからメールのお返事を・・・・・・と思ったんやけど夜も遅くて携帯転送してたら迷惑なので明日お返事します。もう少し待っててくらさーい。